登山道具

登山用軽量ソロテント Six Moon Designsの「Lunar Solo」のメリット・デメリット

少しでも荷物を軽くしたいとお考えの登山好きのあなたへ送る、軽量ソロテントのシックスムーンデザインズのルナーソロを8回ほど使ってみた上でのレビューです。

世の中には様々な軽量テントが発売されていると思いますが、このルナーソロは軽量でありながら快適性もギリギリ保たれている絶妙な製品だと言えます。

ツェルトほど快適性を犠牲にしたくない、でもダブルウォールのテントほど重厚ではなく極力軽いテントを使いたい。

そういった方にはかなりオススメできるテントになっています。

ルナーソロをオススメする点をお伝えした上で、軽量であることで機能として失っている点もいくつか見えてきましたので、そういったデメリット(購入するにあたって注意べき点)についても併せてお伝えします。

ルナーソロの特徴

軽量の非自立式のシングルウォール(入り口のみダブルウォール)のテント

まずこのルナーソロは必要最低限の機能に絞ることによって、かなりの軽量化が実現できている製品です。

ルナーソロだけであればなんと710g。これにペグを追加で持ったとしても800g程度と、ルナーソロをテントとして採用するだけでかなりの軽量化が実現できるのではないでしょうか。

しかし軽量化しているテントということですので、ある意味当たり前かもしれませんがルナーソロは非自立式のテントです。

これは一般的な軽量テントの特徴かと思います。
ここからがルナーソロのおもしろいところです。

ルナーソロを上から見ると、六角形をしています。

6辺のうち4辺はシングルウォールになっているのですが、出入口となる2辺はダブルウォールとなっています。
つまりこれによってテントの出入口のところに前室ができるわけです。

この作りは他のテントではなかなか見ない作りです。

基本的にはシングルウォールで軽量化を実現しつつ、前室はほしいのでダブルウォールにする。
これはかなり気の利いた作りだと言えるのではないでしょうか。

ちなみに、非自立式?シングルウォール?となってしまった方はこちらの記事もご参照ください。

登山用テントを3回も買いなおした筆者がオススメする「初心者が失敗しないソロ用登山テント選び」基準4点今年こそ日帰り登山を卒業してテント泊がしたい! そうお考えになる方もたくさんいらっしゃるかと思います。 登山用テントはたくさんの...

出入口の面は全面メッシュ

言葉で説明するよりも、この動画を見てもらったほうが早いと思います。
出入口のところが前面メッシュになっていることが確認できると思います。


一見するとすごい風通しがよさそう!と感じられると思うのですが、前室の部分を下まで下ろしてしまえば見た目ほど風が吹き込んでくることはありません。

それでいてこのメッシュがあることは、後ほど触れる結露の少なさにも貢献していると思われます。

付属品は何もありません ポールとペグは別で準備が必要

特徴の1点目でもご説明したとおり、このルナーソロには支柱(ポール)が付属していません。
一応、公式の支柱も発売されているのですが、せっかく軽量のテントを買うのですから徹底的に軽量化を目指したいところです。

そこで、125cmに伸びるトレッキングポールがあれば、それをポールとすることができます。
下記の画像は実際に設営をしたところなのですが、真ん中のところのチラっとトレッキングポールの頭が見えています。


こんな感じでトレッキングポールを支柱にすることで荷物を減らして、軽量テントの良さを最大限引き出すことができます。

またこのルナーソロにはペグも付属していません。
設営にあたってはペグが必須になりますので、ペグはご自身で準備いただく必要があります。

こちらもせっかく軽量のテントですから、極力軽くて丈夫なペグを選びたいところです。

オススメするのはMSRのミニグランドホステイクです。
・1本あたり10gという軽さ
・地面に刺さりやすい
・赤色で地面に置いたときに目立つので紛失しにくい
・紐がついており引っ張ることで地面から抜きやすい
とかなりオススメできるペグです。

私はこのミニグランドホステイクを6本買って使っています。

ルナーソロに関する疑問 1問1答

ここからは私がルナーソロを購入するにあたって疑問に思っていたことについて1問1答で書いていきたいと思います。
これを見てもらえれば、かなりルナーソロのイメージが具体的になると思います。

ルナーソロは結露するか

結論としては、多少は結露します。

ただ、これはかなり結露のレベルとしてはかなり少ないものと理解してもらって大丈夫です。
これまでダブルウォールのテントも使っていますが、ダブルウォールのテントと比べても結露はむしろ少ないという感覚です。

おそらくこれは出入口の面が全面メッシュになっていることによって、通気性が保たれているものと考えられます。

結露はあんまり心配する必要なし。

ルナーソロは稜線(風の強いところ)でも使えるか

結論としては、ちゃんと風向きを考えて設営すれば使えます。

先日、礼文島のキャンプ場でルナーソロを使ったのですが、天気予報的には風速9mとなっていました。
寝ているときに何度も強風にあおられましたが、倒れるということはありませんでした。

きちんと風向きを考慮して、出入口を風下に向けて設営すれば問題ありません。

ただ、強風にも耐えられるというのは、ペグがきちんと地面に刺せることが前提条件となります。
こちらについては、次の項目でご説明します。

ちゃんと風向きを考えて設営すれば稜線(風の強いところ)でも使える。

ルナーソロはペグの刺さらないテント場でも設営できるか

ルナーソロはペグの刺さらないテント場では設営できません!
これは注意したほうがいいです。

ルナーソロというよりは、非自立式のテントの宿命ですが、ペグの刺さらないテント場では設営することができません。

ペグの刺さらないテント場では使えないので、事前にテント場の様子は調べてから向かうこと。

ルナーソロの設営・撤収は大変か

結論としては、設営・撤収はめちゃめちゃ簡単です。

慣れてしまえば設営は2分もあれば完了します。
また撤収はポールになっているトレッキングポールを倒してペグを抜くだけですので、こちらも2分もあれば撤収が完了します。

この点については本当に楽です。

設営・撤収はかなり楽。

ルナーソロはシーム処理されているか

ルナーソロはシーム処理されていません。

シーム処理とは、テントの縫い目から浸水しないように、縫い目の部分に防水加工を施すことを言います。
私も購入後にシーム処理を実施しました。

こちらの商品がアメリカのSix Moon Designsのサイトでも使用を勧められていましたので、これを使ってシーム処理を実施しました。

小さなハケもついてきますし、特に塗りにくいということもありませんでした。
これでシーム処理をしたところ、これまで何度か雨に降られていますが、縫い目の部分から浸水してくることはありませんでした。

ちゃんと自分の手でシーム処理が必要。シーム処理をした分だけ愛着がわく。

ルナーソロの室内の広さはどのくらいか

ルナーソロは一人で使う分には十分の広さがあります。
これは写真を見てもらったほうが良いと思います。

少しわかりづらいところもあるのですが、写真の下側が寝袋です。
上にザックが置いてあるが見えますでしょうか。

つまり、寝袋と平行してザックを置くくらいのスペースがあるということです。

正直ソロテントとしては十分以上の広さを持っていると言えます。
その一方で、設営にあたって結構なスペースを使うので、テント場が狭いときは少し苦労するかもしれません。
とは言え、そこまで心配するほどの大きさではありません。

ソロテントとしては十分以上の広さ。すごい快適。

結局ルナーソロは「買い」なのか

これまでいくつかの特徴や注意する点についてご説明してきました。

結局のところルナーソロは「買い」なのか?という疑問にお答えします。

これまで使ってきた私の感想としては、「買い」だと思っています。

もっと正確に言えば、フロアレスのツェルトほど我慢したくないけど、ダブルウォールのテントみたいに重いテントは持ちたくない。ツェルトとダブルウォールテントの間くらいのテントがないかなと考えている人は迷いなく「買い」です。

かなりの軽量テントでありながら、前室があったり中のスペースも十分な広さがあるという点は他のテントにはない大きな特徴です。

私はこれからもこのルナーソロで、ガンガンファストパッキング縦走をやっていきたいと思っています!

ぜひこのルナーソロで快適さを失わないテントの軽量化を実現してみてはいかがでしょうか。