登山道具

レインウェアとソフトシェルを一着にまとめて軽量化・省荷物化するための考察

ファストパッキングやウルトラライトと呼ばれる登山のスタイルを進んでいくとぶつかる、シェルの問題について考えたいと思います。
ここで考察したいのは、『雨具とソフトシェルを一着にまとめることはできるか』です。
『レインウェアを持っていって兼用すれば解決じゃん』と思われるウルトラライトの道の先輩もいらっしゃるかと思うのですが、『ソフトシェルの快適性はやっぱり捨てがたい』というワガママゆえに悩むことなのです。

なので最終的なゴールは、ソフトシェルの快適性を持つレインウェアを見つけて一着にまとめる

です。

この記事では何かの結論を出すものではなく、将来的にレインウェアとソフトシェルを一着にまとめるための個人の考察をまとめています。
今後、実際に商品を購入したりした場合には加筆していくつもりです!

レインウェアとソフトシェルに何を期待するか

わたくしはレインウェアとソフトシェルを別に持っていくことが多く、特に縦走の時ほど歩いているときの快適性を求めて両方を持っていきます。
ではレインウェアとソフトシェル、それぞれに何を期待しているのでしょうか。

レインウェアに期待すること

レインウェアに期待することは以下の点です。

    1.高い防水性を持ち、雨が降っている状況でも雨をレインウェアより下にとおさないこと
    2.透湿性を持ち、雨でレインウェアを着ている状況であってもレインウェアの中が汗でぬれない状態を保つこと

もっと簡単に言えば、『雨が降っている状況で着るけど、レインウェアの下はドライな状況にしておいてね』ということです。

ソフトシェルに期待すること

ソフトシェルに期待することは以下の点です。

    1.登山中ずっと着ていても気にならない着心地(肌ざわり・ストレッチ性)
    2.登山の運動中以外にもテントの中や炊事の時も着るので、もはや一日中着ていても快適な着心地
    3.透湿性を持ち、汗を外に逃がすことのできること
    4.風を通さないこと

移動中のものすごい暑いとき以外は常に着用している可能性があるものゆえに、圧倒的な着心地と透湿性を持っていてほしいものになります。

理想のソフトシェル『フロウラップフーディ』

わたくしが今愛用しているのはファイントラックのフロウラップフーディという製品です。
これ、めちゃくちゃ快適です。
ストレッチ性が高く、透湿性も十分。登山中から寝る時までずっと着ていられます。
あまりにこのフロウラップフーディが快適であるからこそ、このソフトシェルと雨が降ったとき用のレインウェアを別々に持っていくということになっています。

つまり理想は、このソフトシェルであるフロウラップフーディな快適性に、雨具のような防水性を持ったもの一着ですませたい。となります。

と思って改めてフロウラップフーディの商品ページを見ていたところ、中間層にはエバーブレスメンブレンを使用と書いてあります。
ここで疑問が湧いてきました。

同じくファイントラックの製品として、エバーブレスフォトンという製品があります。
これは”レインウェア”として販売されている製品なんですが、フロウラップフーディと同じく中間層にはエバーブレスメンブレンを使用と書いてあります。

このエバーブレスメンブレンという素材は、ファイントラックが独自開発した防水透湿性を持つ素材として紹介されています。
ってことは、フロウラップフーディもレインウェアとしての一定の機能は持っているのでは??
と思ったわけです。

フロウラップフーディとモンベルのトレントフライヤージャケットを比較してみる

なんだか当初の方向性と変わってきましたが、こうなったら確認するしかありません。

フロウラップフーディはレインウェアとして使えるのか?

フロウラップフーディの製品ページには”レインウェア”という表記は一言もありません。
であれば、レインウェアと防水性を比較することで検証しようというわけです。

比較対象とするのはわたくしが愛用しているモンベルのトレントフライヤージャケットです。
トレントフライヤージャケットは耐水圧50,000mm以上という、レインウェアに必要とされる耐水圧20,000mmを圧倒的に超越するGORE-TEXを使用した製品です。

ちょうどフロウラップフーディもトレントフライヤージャケットも、専用の洗剤と撥水剤で洗ったところだったので、検証の条件としては揃っています。
登山用のシェルを洗うときには専用の洗剤で洗ったほうがいいです。
特に撥水剤で洗ってから乾燥機にかけると、新品のように撥水するようになりますよ。

ということで風呂場にトレントフライヤージャケットとフロウラップフーディを持ってきました。

どうやって防水性を比較するかと言いますと、、、

物干し竿二本にそれぞれを引っ掛けて、上から同量の水を投入します!


パッと見た感じ、フロウラップフーディのほうがきれいに水を撥水してくれているように見えます。
とはいえ、トレントフライヤージャケットもちゃんと撥水はしています。

それぞれ下側(生地でいえば内側)から見てみるとこんな感じです。
今までこうして試したことはなかったですが、ちゃんと水を通さないものなんですね。
この時点ではフロウラップフーディも全く水が透過する様子はありません。


(がんばれフロウラップフーディ!)


こちら水を投入してから30分後の写真です。
想像以上にまったく水が垂れてくる様子はありません。
下からツンツンつついてみても、全く平気です。
想像以上にフロウラップフーディのエバーブレスメンブレンが戦えています!

その後いくら待っても変化が見られず、この検証方法ではGORE-TEXのレインウェアであるトレントフライヤージャケットとフロウラップフーディの違いは確認できませんでした。

ということで、、、

シャワーをぶっかけます。さすがにここまでの強さの雨が降ることもないと思うので、この検証がクリアできてしまったあかつきには、「フロウラップフーディはレインウェアとしても使える完璧なシェルである」と宣言させていただこうと思います。

ドキドキしながら内側をチェックしてみます。

パッと見は濡れている様子はありません!
ただよく見てみると、、、

一部浸水しているところを見つけてしまいました。
この部分にはポケットがあるのですが、フロウラップフーディのファスナーは止水ファスナーではないため、そこから水が入ってきてしまったようです。
残念。。。

【いったん結論】フロウラップフーディは軽い雨なら全く問題なく使えるが、レインウェアとしてはもう一息

フロウラップフーディは止水ファスナーになっていないことから、長時間雨を浴びるとファスナーのところから浸水してきてしまいそうだということがわかりました。
ただこれ、シャワーを5分くらいぶっかけた結果なので、軽い雨であればフロウラップフーディで全く問題なさそうです。
でも長期の縦走等のときにはちゃんとしたレインウェアがほしいような感じです。
悩ましい。

ソフトシェルとレインウェアを兼用できそうな候補たち

フロウラップフーディではレインウェアとの兼用が果たせなさそうとなってしまった今、別の製品を探さなければなりません。
今のところ候補は以下の二つです。
どちらの製品も試着をしてみて、良さそうであれば夏に向けて導入したいと思っています。

【候補1】Millet ティフォン50000

ミレーの超透湿素材を使ったシェルです。
圧倒的な透湿性を持ちながら、防水性能も持っているこの製品。
しかも商品紹介のページを見る限り、ストレッチ性もある模様。
これは理想とするフロウラップフーディに防水機能がついたというものにも近いのではないでしょうか。

ただ少し気になるのが、発売から数年経っているものの、あまりネット上にティフォン50000を紹介している人がいないことです。
あまり人気ないのかな。。。

【候補2】Teton Bros. Tsurugi Lite JKT with Aqua Breath

 
はっきり言います。これめっちゃほしいです。
もともとTeton Bros.から発売されていたTsurugi Lite JKTに、東レと共同開発したという防水透湿性の高い生地をしようした製品です。
2020年から正式に発売開始するにあたり、一部店舗で2019年から先行発売されていました。
実はこれを、東京の三鷹にあるHiker’s Depotで試着しました。
試着した感じの肌触りはかなり良かったです。さらにストレッチ性もあり動きやすい。
2019年の先行発売時点では黒のみのカラー展開なのですが、2020年の正式時点ではカラーバリエーションも増えていると期待しています。
これのアースカラーが発売されたら買ってしまいそうな予感。。。

ソフトシェルと兼用できるレインウェア探しは続く。。。

結局、大した結論がでなくて申し訳ないです。
ただ、近年の素材の進化はすさまじいものがありますので、2020年には新たな製品が出てくるかもしれません。
最終的な結論が出ましたらまた記事にさせていただこうと思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
おしまい。