登山レポート

【笠ヶ岳】笠新道の急登の先の稜線の絶景を堪能する笠ヶ岳山荘小屋泊レポート

9月後半の夏の終わりに、北アルプスの笠ヶ岳に行ってまいりました。
稜線からの景色が格別な山ですが、周囲には槍ヶ岳や穂高岳があり、そういった山の中ではすこし知名度の落ちる山かも知れません。

ただ山頂に向かう稜線からは槍ヶ岳をはじめとし、ジャンダルムなども見える絶景が待っている山でもあります。
そんな笠ヶ岳に新穂高温泉からアプローチし、急登で有名な笠新道を登り笠ヶ岳小屋に1泊してきました。

この笠新道が想像を超える急登ではありましたが、その急登を超えた先には噂通りの絶景が待っていました。
今回もカメラ初心者の私がSONYのα6000と標準キットレンズを持って、パシャパシャとの写真を撮ってみましたのでご覧いただければと思います。

それでは行ってみましょう!

笠ヶ岳へのルート

今回笠ヶ岳には新穂高温泉から入り、笠新道をピストンする形で山頂を目指します。
とにかくこの笠新道を一気に1400mほど上がる必要があり、なかなかのパワーが必要なルートです。

出発点となる新穂高温泉には登山用の無料駐車場があります。
山と高原地図には新穂高ロープウェイのところに200台の有料駐車場があるという表記になっていますが、ここは「登山者使用不可」と書いてありました。
従いまして登山者は深山荘近くの無料駐車場、もしくは鍋平園の無料駐車場を使う必要があります。

この日は9月末の金曜日でしたが、朝9時頃に駐車場に到着すると最後の1台分だけ空いている状況でした。
私はそこにギリギリ滑りこむことができましたが、やはり人気の北アルプスです。平日でも駐車場はいっぱいでした。
深山荘近くに停められなかった場合、少し離れた鍋平園の駐車場に止める必要があります。
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ちなみにこの駐車場には簡易トイレがあるのですが、なぜかこの簡易トイレには鍵がなく、人が入ってくるのではないかととてもハラハラしながら使いました。
トイレは駐車場にくる前に済ましておいたほうが良いと思います!

【レポート】笠新道の急登を登り笠ヶ岳山荘を目指す

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ギリギリ駐車場に車を停めることができましたので、笠ヶ岳に向けて出発します。今日もいい天気だ!
ちなみに写真の手前側に写っている駐車スペースは「公営の駐車場」みたいに書いてありましたが、閉鎖されています。いや、ここ停めさせてくれよ。

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黙々と新穂高ロープウェイの横を通り抜け、写真は一気に笠新道の入り口に飛びました。
ただ、この笠新道に来るまで新穂高ロープウェイから45分ほど林道を歩いてくる必要があります。あまり林道に見どころもなかったので、ここまで一気に来てしまいました。
笠新道に入ってしばらくは、このような樹林帯を歩くことになります。

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「全然景色変わってないな」
そう思われたかもしれませんが、先ほどの写真から50分近く経過しています。
この笠新道。スタートから1時間以上、ほぼ同じような景色の中を進んでいきます。はっきり言って地獄のような時間です

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「ふーん」という感想しかできません。なんせまだ300mほどしか登っていません。稜線まではまだまだ1000m以上あがる必要があります。

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笠新道に入って1時間強。やっと樹林帯を抜けて槍ヶ岳方面の展望が開けました。
雲もなくきれいな景色が見えたので、ここまでの疲労感も少し軽くなったような気がします。

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展望が開けてからもひたすら登り続けます。ふと目の前の景色に目をやると、すこしだけ色づいているように見えます。
北アルプスの夏は間もなく終わりを告げ、短い秋がやってきます。

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2200mまで上がってきました。ここまで来れば笠新道の急登ももうすぐ終わりを迎えます。
ここまで笠新道の入り口から2時間ほどで上がってくることができました。悪くないペースです。

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視線を上にあげると急登の終わりの目印になっている大きな岩(写真右上)が近づいてきています。
もう一息!

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笠新道の入り口から2時間半で杓子平までやってきました。笠新道を登りながら、下山する皆さんに「急登の先の杓子平は絶景だからがんばって!」と励まされていたのですが、、、

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うぉぉおおおおおおお!
確かにおっしゃるとおりの絶景が待っていました!荒々しい山肌と黄色く色づいた木々がすばらしい組み合わせ。
そして奥に見えるトンガリが本日目指す笠ヶ岳の山頂です。

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杓子平から笠ヶ岳に続く稜線を目指します。しかしまだまだ登りがある!!!
杓子平に出たら終わりだと思っていましたが、完全に考えが甘かったです。

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しかし振り返れば薄く色づいた木々の向こうに憧れのジャンダルムのギザギザが見えます。
北アルプスの景色は登る人を飽きさせません。

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笠ヶ岳方面の稜線が見えました。しかし、なんかガスがかかり始めてしまった。。。
それでもガスのかかった稜線もかっこいいです!

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こちらは双六岳方面の稜線です。いつかこっちの稜線も歩いてみたい。

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笠新道からスタートして4時間。やっと笠ヶ岳山頂へと続く稜線に出ることができました。
ここを左に行けば笠新道。右に行けば双六岳方面へと続いています。

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振り返ると、さっきまでいた杓子平が遠くに見えます。遠くから見ると木々が黄色に染まっていることがよくわかります。

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さぁ笠ヶ岳山頂を目指します。ちょうどガスが晴れて笠ヶ岳が姿を現してくれました。

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稜線を進むと赤く紅葉した植物が群生していました。クロマメノキ?でいいのかな。。。??
緑の稜線にこういった赤い植物が出てくると目を惹きます。

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稜線に出てから1時間ほどで笠ヶ岳小屋がはっきりと見えるようになりました。奥にそびえるのが笠ヶ岳山頂です。
なんかけっこう曇っちゃったな。。。

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小屋が見えてからなぜか全然近づいてこない不思議。結構な傾斜もあり疲労がたまります。
岩に「ガンバ」と書いてあります笑

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ここが笠ヶ岳山荘のテント場です。テント場としては平地も多くテントの設営はしやすそうなテント場でした。
ただ個人的には、このテント場はあまり使いたい!とは思えませんでした。
というのも、地図上は水場があるのですが9月下旬のこのタイミングではすでに枯れており、水は笠ヶ岳山荘まで取りに行く必要があります。
またトイレについても山荘のものを使う必要があるのですが、山荘までは15分ほど急斜面を登る必要があります。
もう少し早い季節だと雪解け水があるのかもしれませんが、トイレのために毎回15分の急登を登るのは、、、と思ってしまいました。

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笠新道を歩き始めて5時間。やった笠ヶ岳山荘に到着しました。
周囲は完全にガスに覆われてしまっていて、展望が全くありません。。。

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ですが、翌日は雨の予報が出ていることもあり、奇跡的にガスが晴れることを信じて笠ヶ岳山頂を目指します。

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笠ヶ岳の山頂部分はこのような岩のプレートが積み重なったような状態になっています。
どうやってこんな岩ができて、どうして山頂部分だけこの岩が積み重なっているのか。本当に不思議。

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はい。ここが笠ヶ岳山頂です。それはもう分厚いガスに覆われていて全く展望がありません。残念。
20分ほどガスが晴れないか期待して待ってみたのですが、逆にポツポツと雨が降ってきてしまいました。諦めて下山します。

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笠ヶ岳山頂から山荘に戻る途中に、この天気のおかげかアルプスのアイドル雷鳥が出てきてくれました。

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こちらが本日の宿となる笠ヶ岳山荘の部屋です。
この日は金曜日だったこともあって、本来は4人で寝るスペースを1人で使わせてもらうことができました。
おかげでこの日は熟睡でした。

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さぁ二日目の朝です!!と言いたいところですが、この日は朝からガスに覆われてしまいました。
二日目の下山は登りと同じ笠新道を下山予定ですが、稜線もこの景色です。今にも雨が降り出しそうな天気。

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登山者にとっては残念な天気ですが、こいつらにとっては待ち望んだ天気のようです。ガスの中からたくさんの雷鳥が出てきました。
この日は本当に養鶏場かっていうくらいに雷鳥が出てきて、雷鳥ブロイラー状態でした。

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雷鳥のchoo choo trainです。

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PCの壁紙に設定したいような構図です。下半身はすでに白い毛に生え変わっていて、すでに冬の準備を始めているんですね。

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というわけで下山は雷鳥に心を癒されながら、再び笠新道の急坂を下山して新穂高温泉に戻りました。
(下山途中に雨が降り出したので、下山の写真はナシ!笑)

笠ヶ岳のまとめ

今回登った笠新道はかなりの急登ではありましたが、その先の稜線の景色は絶景でした。
残念ながらガスがじゃっかんかかってしまう天候でしたが、その分たくさんの雷鳥に出会えたのでヨシとします。

笠ヶ岳の稜線は絶景。ガスが出ても雷鳥に出会える魅力たっぷりの山。

と言ったところでしょうか。
ちなみに帰りの日帰りで立ち寄る新穂高温泉はこちらの温泉がオススメです。

『中崎山荘 奥飛騨の湯』
趣たっぷりの内湯と、源泉かけながしの露天風呂があります。
どちらもお湯の質が本当にすばらしく、また新穂高温泉にくることがあれば絶対に立ち寄りたい温泉です。

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