9月のシルバーウィークに休みをとって、晩夏の悪沢岳と赤石岳を縦走してきました。
南アルプスの南部にあたる山々は非常にアクセスが悪いのですが、その分北アルプスとは異なり人も少なく落ち着いた山行を楽しむことができます。
今回、椹島ロッジを拠点として1泊2日で悪沢岳と赤石岳を縦走してきました。
さらにカメラ初心者の私がSONYのα6000と標準キットレンズを持って、パシャパシャと写真も撮ってみましたので、登山とカメラに興味がある方にも読んでもらえると嬉しいです。
(筆者がカメラについては完全に素人なので、「素人が頑張って写真を撮っている」という目で見守ってもらえればと思います)
全3回に分けてお送りするこのレポートですが、今回が最終回”赤石岳登頂→下山編”です。
Part 1 椹島ロッジ宿泊編
Part 2 悪沢岳登頂編
Part 3 赤石岳登頂→下山編 ←いまココ
それでは「Part 3 赤石岳登頂→下山編」どうぞ!
【レポート】荒川小屋から赤石岳山頂へ
荒川小屋のテント場にテントを張っているのですが、あまりの寒さに目が覚めました。しかし外をチラっと覗いてみると月がきれいです。
意を決して寝袋から出てシャッターを切ると、そこには月光に輝く美しい富士山がありました。
しかし時間はまだ深夜0時。再び寝袋に潜り込みます。。。が、寒すぎて全然眠れない!!!!
9月と言えどもここは標高2600m。この日は0度近くまで気温が下がっていたと思います。
おはようございます。結局深夜に目が覚めた後は寒さで眠ったのか眠っていないのか、という感じです。
ものすごい眠気でしたが、なんとか起きて朝日が昇る前に目覚めることができました。
もうすぐ日の出です。
朝日を見たらすぐにテントを撤収して、本日の一番の目的である赤石岳を目指します。
しかし朝日がきれいすぎて、なかなか前に進むことができません。
荒川小屋から少し登って大聖寺平まで上がってきました。
荒川小屋に宿泊する際に夕陽が見たい場合には、ここ大聖寺平まで上がってくる必要があります。
さぁここから赤石岳に向けてぐぐぐっと登ります。朝イチの体にはこたえる登りです。
大聖寺平から30分ほど登って小赤石の肩までやってきました。ここから赤石岳の山頂まではアップダウンのない天空の大展望が待っています。
あまりに気持ちがいい稜線なので、三脚を出して撮影しました。この日は雲海も文字通り海のようです。
小赤石岳の肩から20分ほどで小赤石岳の山頂です。ちゃんと山頂の標識もあります。
引き続き赤石岳山頂を目指して進みます。赤石岳山頂まであと少しです。
赤石岳山頂に向かう途中にある、椹島への下降分岐です。赤石岳登頂後にはこのルートから降りるので、いったんスルー。
椹島への下降分岐から20分ほど、ついに赤石岳山頂に到着です!日の出からずっとその姿を見せつけてくれている富士山が雲海とともに登頂を祝福してくれました。
これまで歩いてきた悪沢岳方面の展望もこのとおり最高です。いやー。本当にこの日程で登ってよかった。
赤石岳山頂からさらに南側はこのような景色になっています。写真にうつっているのが赤石岳山頂の避難小屋です。
避難小屋と言いながらかなり大きな小屋です。こちらも中岳避難小屋と同様に宿泊もできるようです。
本当は聖岳まで縦走をしたかったのですが、翌日から天気が悪くなる予報だったので、今回はここまでとします。
聖岳、光岳は来年に取っておくことにしましょう。
下山する前に今一度、富士山をどうぞ。本当に今日ははっきりくっきりと富士山が見えます。最高の富士山当たり日だったようです。
さて、先ほど通過した椹島への下降ポイントに戻り下山を開始します。この下山するルートですが、それはもうとんでもない急坂でドン引きしました。
あまりの急坂過ぎて写真を撮るのを失念してしまいました。この写真は急坂を下り終わった後にある水場の写真です。
写真をよく見ていただくとわかるのですが、ちょっとした鎖場があります。
1泊2日の縦走のあいだの中で、唯一の鎖場です。注意して歩けば特に問題があるような場所ではありませんでした。
ただ繰り返しになりますがこのルートはかなりの急坂ですので、絶対に登りたくないと強く思いました。
悪沢岳・赤石岳を椹島を中心にまわろうと考えていらっしゃる方には、椹島→悪沢岳→赤石岳→椹島と周遊されることをオススメします。
急に目の前に平らな場所が現れました。富士見平です。
”富士見”と名前がついているので富士山が当然見えるのですが、もはやこのあたりの山域はどこでも富士山がばっちり見えるので、特筆するべきことなのか??と疑問が湧いてきます。
ですが、展望は抜群です。これまで登ってきた悪沢岳、赤石岳、そしてもちろん富士山もばっちり見えます。広いスペースなので休憩にはちょうど良さそうです。
富士見平をとおりすぎると樹林帯に入ります。気持ちの良い広葉樹の森の中を進んでいきます。
この赤石小屋もかなり大きな小屋です。そしてきれいな小屋なのでここもいつか泊まってみたい。
ということで休憩がてらコーラをいただきます。山で飲むコーラは世界で一番うまい。
赤石小屋を出てしばらく歩くと、足元の岩が赤いことに気が付きました。
調べたところによるとこの赤い岩は「ラジオラリアチャート岩盤」というみたいで、赤石岳の由来となった岩盤のようです。
あまり山頂周辺では赤い岩はなかった気がしますが、このあたりはそこらじゅうに赤い岩が転がっています。
森の中で撮るこういった写真もけっこう好きです。倒木の質感がなかなかいい感じに出せたような気がします。
急に紫色の花が咲き乱れる場所に出ました。ここだけ急に自分の周りの色が変わるため異様な雰囲気です。
(花の名前はわかりません!)
植林された杉林が出てきました。長かったこの縦走もそろそろ終わりの雰囲気です。
最後の下り坂を下っているときにふと目線を遠くにやると、いくつかの重機が見えました。
どうやらここはリニアのルートになっていて、その工事をしているみたいです。南アルプスに穴をあけるってすごいな。。。
レストハウスの中には簡単な軽食も取れるようになっています。お腹がすいていたので肉うどんを注文してテラス席でいただきました。
うどんのスープまでを飲み干して、今回の縦走を無事に終えることができました。
悪沢岳・赤石岳で活躍したアイテム
軽量のスリーピングマットですが、地面からの冷気を完全に防いでくれました。
逆にこのスリーピングマットから少しでもはみ出ると、寒さで眠れませんでした。公式ページにはR値の記載がないので購入する際は少し不安になりましたが、明け方に霜が降りていた今回の縦走でも全く問題ありませんでした。
南アルプスの標高差と戦うためにはトレッキングポールが不可欠だと思います。
テントのポールにも兼用しているため、長さを調節できるタイプのトレッキングポールを愛用しています。