登山道具

トレランシューズで登山をした感想。トレランシューズでテント泊は可能か

トレイルランニングシューズ(トレランシューズ)で登山、テント泊ができるか。
私自身も荷物を軽くしてファストパッキングにトライし始めた頃にぶつかった悩みです。

ネットには情報がたくさん転がってます。
ある人は危ないからやめた方がいいと言い、ある人は問題ないと言います。

考え方は色々とあるとは思うので最終的な判断は自身でするしかないのですが、トレランをやっているわけではない登山者である私が夏季にトレランシューズで北アルプスなどでテント泊をやってみた感想を書いていこうと思います。

【結論】夏のテント泊なら余裕。むしろトレランシューズの方が楽

あくまで個人の感想ですが、夏のテント泊なら間違いなくトレランシューズを選択します

登山靴よりも圧倒的に軽いため、歩行速度があがりますし、ふとした瞬間の足捌き(単純な移動や、急な判断で足を別の場所に置く等)がやりやすいです。

これは怪我の予防にも大きく貢献していると思います。

軽い・足さばきが楽

この二点があるので、私はテント泊の登山にもトレランシューズを積極的に使っています。

ただしトレランシューズでテント泊をするのであれば荷物の軽量化は必須

感覚的には10kgを超える荷物の場合、登山靴に比べてソールの柔らかいトレランシューズは足の裏が疲れます。

これはトレランシューズの特性である、”地面を掴む感覚”による代償だと思います。
地面をつかんで歩く感覚のあるトレランシューズは歩きやすい反面、衝撃が足裏に来るため、重い荷物とは相性が悪いです。

トレランシューズを使うのであれば、荷物は軽量化しましょう!

逆に言えば、荷物の軽い日帰り登山であれば迷いなくトレランシューズ!というのが私の見解です。

トレランシューズで登らないほうが良い山

私の経験上、トレランシューズで登らない方がいい山があります。
それは岩登りを伴う山です。

有名な山で言えば、鹿島槍ヶ岳~五竜岳の八峰キレットや剱岳、西穂高岳〜ジャンダルムあたりが該当すると思います。


写真をご覧いただくとわかるのですが、
トレランシューズはソールに向けて八の字に広がっており、逆に登山靴はソールに向けて幅が狭まっています。

トレランシューズの場合にはクッション性を高めるためにソールに向けて幅が広がっているものと思われます。
通常の登山道であれば全く気にならないのですが、これが岩場になるとドキっとすることがあります。

実際に私も経験したのですが、登山靴の感覚でトレランシューズで岩場に足をかけると、外側に広がったソールの部分が岩場に引っかかることがあります。

登山靴の場合にはソールに向かって幅が狭くなっているためそのようなことは起きません。
岩場は特に登山の中でも気を張る場面ですので、極力岩場に集中したく、このように靴の形状を意識して足をかける必要があるトレランシューズは、岩場の多い山には適さないと感じました。

トレランシューズで登山をすることへのネガティブ意見に対する私の見解

登山靴のハイカットが足の捻挫を防いでくれているからローカットのトレランシューズは危ない

ハイカットだと捻挫を防いでくれるという意見についてですが、確かに硬い登山靴で足首を固定しているので、ある意味ギプスをつけて歩いているような状態になります。
それだけ固定されていれば確かに足首の捻挫は防げるように思います。

ただ固定されているからこそのデメリットもあるはずです。
ハイカットの登山靴の場合、着地するときの足が無理に固定されるためむしろ膝や股関節の負担になるシーンが多くなります。

足首は固定されないけど、軽量化や足首が自由になることによる怪我リスク低減のメリットのほうが大きいというのが私の見解です。

ソールが柔らかいので登山靴と比べると疲れる

これはたしかにそうかな、と思います。
ですので私はトレランシューズを使う際には、極力荷物を軽くすることを意識しています。

またトレランシューズといえども、ある程度はソールは硬くできているものを選択することで、足裏の疲労感を低減しながら軽さを手に入れることはできると思います。

さらにソールが柔らかいことにより、地面をしっかりとグリップしている感覚をもって歩くことができます。

トレランシューズで登山をするのであればファストパッキングも一緒に取り入れよう、というのが私の見解です。

雨が降った時に濡れる

濡れます。トレランシューズは朝露のついた草むらを歩いても濡れます。
私はテント泊のときには防水性のあるゴアテックスのトレランシューズを使用していますが、結局雨が降ると足首を伝って雨が入ってきます。

ただトレランシューズは登山靴よりも渇きやすいので、濡れても雨が止めば次第に渇いてきます
ずっと雨が降っているような状況であれば登山靴であっても濡れるので大差はありません。

これもトレランシューズをやめて登山靴を選ぶ決定的な理由にはならないと思います。

ローカットだと小石やジャリが入ってくる

これもたしかにそうですね。小石入ってきます。

ただトレランシューズは脱ぎやすいので、小石が入って痛いなと思えば脱げば問題ありません。
むしろ登山靴より脱ぎやすいので、ちょっとした休憩のときにも足を開放することができるため大変快適です。

本当に気になる場合にはゲイターをつければ解決します。(これはこれで暑かったりしますが。。。)

生地が薄いので足をぶつけて怪我をする

これはトレランシューズで登山をするにあたっての一番注意するべきポイントです。

登山靴で登山をしているとあまり気が付かないのですが、足の甲の部分を岩や木の根にぶつけることが結構あります。
登山靴は足全体を硬く覆っているためぶつけたところで何も感じないことがほとんどです。

トレランシューズで足の甲をぶつけるとめちゃくちゃ痛いです。
トレランシューズで登山をすると、「え?こんなに登山中って足ぶつけるの?」と気が付きます。

こればっかりは気を付けて歩くしかないのですが、登山中の怪我は一番避けなければいけない事象ですので、これはかなり怖いです。
このリスクがあることでトレランシューズで登山をすることを推奨しない人がいるのもわかります。

トレランシューズで登山をするのであればきちんとしたリスクヘッジを

やはりトレランシューズで登山をすることで、登山靴の際には発生しない可能性のある怪我を引き起こすリスクは存在すると思います。
(でもそれは逆もしかりで、登山靴を履いていたから発生してしまう怪我もあると思います)

何が言いたいかと言いますと、きちんと怪我に対するリスクヘッジはしよう、ということです。

テーピングを持っていく
ストックを持っていく
やむを得ずビバークになってしまったときに備えてツェルトを持っていく
登山届を出す
などなど

登山はリスクのある趣味です。トレランシューズであろうと登山靴であろうと、きちんとリスクヘッジはしましょうという話ですね。

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