登山道具

ウルトラライトな登山用サコッシュを自作する【作成編】

今回は登山用のウルトラライトなサコッシュの作成編をお送りします。
前回の記事では、どういった経緯で登山用のサコッシュを自作しようと考えたかの経緯についてご紹介しました。
↓サコッシュを自作しようと考えた経緯はこちらをご覧ください。

ウルトラライトな登山用サコッシュを自作する【自作決意編】山と道などのいわゆるウルトラライトのザックを使っていると、ヒップベルトにポケットがないことを不便に感じるシーンがあります。 例えば、日...

前置きはそこそこにして、さっそく作成の手順をご説明いたします。
これからサコッシュを作りたいと考えている人の参考になるように写真を多めにご説明しつつ、わたくしが参考にさせてもらったサイトもご紹介しながら進めたいと思います。

ちなみに今回サコッシュを自作しているわたくしの裁縫レベルは、中学校の授業でミシンを使って以来、一度もミシンを使っていなかったレベルです。
つまり完全に素人です。

そんな素人でもそれなりのものが作れたような気がしているので、みなさんもぜひチャレンジしてもらえればと思います!

【手順1】サコッシュに使う生地とファスナーを選ぶ

完全な素人がサコッシュを作りますので、極力シンプルなサコッシュを作ろうと思います。
生地とファスナーについてはサコッシュを作るにあたって、機能性にも見た目にも一番大きな影響を与えるものかと思います。

今回の自作サコッシュには「多少の雨に耐えられる」という性能を持たせたいと考えました。
そうなると、生地にもファスナーにもある程度の防水性があるものが好ましくなります。

生地選び

できれば生地にはX-Pacを使いたいと思ったのですが、なにせよX-Pacは高い!
(X-Pacとは山と道のザックなど、最近のはやりのアウトドアブランドがよく使っているXマークに見える模様の入った生地です)
X-Pacを通信販売している業者のホームページを見たところ、1mで3,200円!!!
素人がホイホイと手を出すには抵抗感のある価格です。

そのため今回は、リップストップナイロンを使うことにしました。
リップストップナイロンはある程度の防水性をもちながら破損にも強い生地で、登山用品にも採用されています。
今回わたくしは楽天で買うことにしました。
これなら、1mで1,000円強とX-Pacに比べると圧倒的に安価です。

ファスナー選び

続いてファスナー選びです。
ファスナーも防水性のあるファスナーを買いたいと思います。
調べてみたところ防水ファスナーはYKKのものをAmazonで購入することができるようです。
こちらを購入して、自作するサコッシュの横幅に合わせてカットして使っていきます。

ちなみにこのままだとファスナーのスライダー(ファスナーの引っ張るやつ)がない状態なので、そちらも併せて購入します。
こちらもAmazonで購入することができます。

ちなみに『5CN』というのが今回のファスナーの横幅になりますので、ファスナーとスライダーの横幅を合わせるように気を付けてください。

【手順2】サコッシュの型紙を作る

今回はシンプルなサコッシュなので、熟練の方には型紙なんてものは必要ないのかもしれないですが、なにせよこちらは完全な裁縫の素人です。
ですので、ちゃんと型紙を作るところからやっていこうと思います。
おおよその大きさは市販のサコッシュを参考にしながら、以下のような大きさにしようと思います。


こちらがサコッシュの前面の型紙です。


そしてこちらがサコッシュの背面の型紙です。
底の部分にマチを作りたいのと、ファスナーをサコッシュの上部ではなく前面にもってきたかったので、前面よりも縦の長さが長くなっています。

正直型紙の書き方がもよくわからなかったので、とりあえず自分がわかればいい!ということで作っていますのでご了承ください。
そしてこのExcelで作った型紙の大きさをもとにして、小学生以来に購入した工作用紙(1cm四方の格子が入った画用紙)をカットします。

【手順3】生地の裁断

ということで型紙にそって生地を裁断していきます。
特に何も考えることなく切っていきます。
ちなみにリップストップナイロンにはうすく格子の模様があるので、それに沿って裁断するとまっすぐ切れます。
今回は黒とカラシ色の2色でサコッシュを作ろうと思います。

こんな感じで裁断ができましたら、いよいよミシンでの縫い付けです。

【手順4】ミシン縫い

いよいよ緊張のミシンによる縫い付けです。
と、その前に生地とファスナー以外に使用する材料についてもご紹介します。


左上がYKKの防水ファスナー、右下がサコッシュの肩紐に使用するナイロン紐です。
左下の三角のやつが、肩紐とサコッシュ本体をつなぐ部分に使うパーツです。

それでは縫い付けをしていこうと思います!

ファスナーにスライダーをはめる

と、縫い付けの前に初心者のわたくしが最初にムムム?となったのが、ファスナーにスライダーをはめる作業です。
ファスナーとスライダーを別々に購入しているので、それをはめる必要があります。

こんな感じで左右のファスナーを同じ長さでグイっと押し込むと、スライダーをはめることができます。
最初はこれでいいのか?となると思うのですが、勇気をもってグイっとやるのがコツです。

ファスナーの縫い付け

ファスナーにスライダーを取り付けたら次の工程です。
いきなり素人にはハードルの高い作業がやってきました。
ファスナーの縫い付けです。正直ファスナーってどうやって縫うのか全く知らなかったのですが、インターネットはなんでも教えてくれます。
わたくしはこちらの手芸キット専門店のサイトを参考にさせていただきました。
とてもわかりやすいです!


ということで上記サイトを参考にさせていただきながら、ファスナーの表とサコッシュ生地の表が合わさった状態でファスナーを縫っています。


ファスナー表と生地の表を合わせて一度縫った後に、生地をひっくり返してファスナーの端っこを縫ったあとがこちらです。
(言葉ではわかりづらいと思いますので、上記の手芸キット専門サイトを参考にしてください。)


ファスナーを中心にして、前面と背面の生地がくっつきました。
こうなるとなんとなくサコッシュの全体像が想像できるようになりますね。

周囲の縫い付け

ファスナーの縫い付けが終われば、続いては周囲の縫い付けです。
と、その前にサコッシュの肩紐と本体部分の接合部分となる三角のパーツを取り付けます。
最終的にはサコッシュの前面と背面の生地ではさんで縫い付けるのですが、その前に仮縫いしておきます。

こちらが仮縫いが終わった状態です。
ファスナーの上(黒の生地のほう)にあるのがサコッシュの肩紐を取り付ける三角のパーツで、ファスナーの下(カラシ色の生地のほう)にチョコっとあるのが、型紙には記載をしていなかったのですがファスナーを開けるときにサコッシュの持ち手になる部分です。

この黒とカラシ色の生地を重ね合わせて周囲を縫っていきます。


周囲を縫い終わった状態がこちらです。
下の部分に黒い生地が数センチあるのが見えると思いますが、これがマチの部分です。
隠しマチというらしいのですが、作り方についてはこちらのサイトを参考にさせていただきました。

折りたたんで縫うだけなので、そこまで難しくないと思います。
隠しマチは、サングラスのケースなどの少し厚みのあるものを入れる際に役立ちます。

この状態で裏返しするとサコッシュが姿を現すのですが、そのまえに細部に少しだけこだわろうと思います。
この写真を見ていただくと、周囲の部分がむき出しになっています。
この状態のままだとどんどん生地がほつれていってしまうので、それを防止するためにバイヤステープを縫い付けていきます。


「バイヤステープ?」となった方もいらっしゃるかと思いますが、生地のほつれを防ぐために縫い付けるカバーのようなものです。
バイヤステープは手芸用品店にいくと数百円で売っています。

さぁこれを裏返すといよいよサコッシュの全容が明らかになります。


けっこういい感じではないでしょうか!
アースカラーの配色もけっこうお気に入りです!

【手順5】肩紐

ここまでくればあと少し、肩紐をとおして完成です。

肩紐にはこのパーツを使うことで長さの調整ができるようにします。


こんな感じで二重に肩紐を通せばできあがりです。

自作サコッシュの完成


自作のサコッシュの完成です!
想像していたよりも簡単に作ることができた、というのが感想です。
ただ、これを作る前に1度試作をしました。
そのときはファスナーを裏表反対に縫ってしまう等、散々なことになりました。。。
(失敗があっての今回の成功です)


サコッシュの中にサングラスケースとスマホを入れてみるとこんな感じです。
もう少しマチが広くてもいいような気もします。


そしてこの自作サコッシュの重さですが、58.8gという軽量なものができあがりました。これは感動。
山と道のサコッシュとほぼ同じ重さにできました。
(山と道のサコッシュはファスナーがなくてポケットがあったりするので、機能性は異なりますが)

このサコッシュは実践登山にも使用してみて、もう少し改良を加えていこうと思います。
そしてサコッシュの次は財布でも自作してみようかと考えている今日この頃です。
登山道具を自作するのって楽しい・・・。

ぜひこの記事がサコッシュを自作しようと考えている方の参考になると嬉しいです。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
おしまい。